つぶやきより長く日記より短く

ひとことブログみたいに気軽に…のはずが、最近はめっきり読書blogになってます

読書感想文 第56巻

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『聖夜~榎田尤利作品集~』

作:榎田尤利/SHY NOVELS

 

新年一発目はBLからスタートです。

表紙とあらすじ見て読んでみようと思い、どんな話だろう…と読めるタイミングを心待ちにしていました。

感動すればするほど、自分の言葉が陳腐になってあらすじ的なものしか書けず(いつものこと?)

それでも最後には暖かい気持ちで読み終えることができたので…。

出来るだけ苦手意識は持たず、これからもいろんな作品を読んでいこうと思っています。

 

“聖夜”

お互いの気持ちはおもしろ半分みたいなものだと思っていた17才。

親の離婚に振り回され、去っていった親友。

寂しさから送った手紙に返事は無かった。

 

偶然の再会だった27才。

やっと忘れかけたのに、大人になって、その思いが恋だとわかる。

けれどお互い手放せない“今”もあったから…離れることを選んだ。

 

お互いの幸せを望んで別れたはずなのに、その幸せをつなぎ止められなかった37才。

今度こそその手を離したくなくて、必死に探した。

やっと見つけたその場所は、故郷の北海道ではなく、太陽まぶしい沖縄。

 

本当の気持ちに気づくのは遅くなったけど、やっと自分に正直になれる相手と結ばれた。

 

親友の方は最初から好きな気持ちをずっと持ち続けてた。

その友は、心からの笑顔になれる幸せ、親の愛情からは縁遠かった。

いろんな事が絡んで20年越しの愛を実らせた2人。

 

引き込まれて一気に読みました。

お互いの周りの人達の事とか、もの凄くリアルに感じました。

夢物語のようなものではなく、きちんと人としての気持ちを描いた作品は大好きです。

 

人として恋しいと思った…人として愛おしい…ずっと側にいたいと思った…。

その相手が偶然同性だっただけ。

沖縄での再会シーンは胸が震えました。読んでる自分も嬉しかった。

 

最初に収録されている“名前のない色”も素敵な作品です。

好きな人と同じものを共有できない寂しさ、哀しさ…。

 

一度は離れたけど、もう一度会って、キチンと言葉にして、お互いの気持ちを確認できた。

 

どちらもハッピーエンド。聖夜の方はその後談が書き下ろしでついてて、こちらは惚気ながらも大切な問題が書かれていました。

 

確かにどんなにお互い思い合って一緒に暮らしていても、法律上は他人なわけで…。

一番近くにいたい時に、その距離感を思い知らされるわけで。

現実はまだまだ厳しい。

 

現実問題として、認められない人や嫌悪感を持ってしまう人もいるのは、仕方のないことだけれども、同性パートナーも異性パートナー同様の権利が認められて欲しい。

相手のことを思う気持ちは性別関係ないもの。

明けましておめでとうございます

2016年12月の読書メーター

読んだ本の数:68冊

読んだページ数:16843ページ

ナイス数:326ナイス

http://bookmeter.com/u/666835/matome?invite_id=666835

 

12月もたくさんの作品を読みました。

マンガ、続きもの、新作…。

まだまだ欲しい本リストにはたくさん待ってる作品達がいるので、今年もどんどん読んでいきたいと思います。

 

読書メーターでは読んだ都度、こちらのブログでは“これ!”と思ったものをアップしています。

 

本年もどうぞよろしくお願いします<(_ _)>

読書感想文 特別版【今年のMy best 5】

今年に入って、昨年以上にたくさんの本を読みました。

ラノベにこんなにハマるとは思ってもいなかったし、いわゆるBLといわれるジャンルにも初挑戦。

いろんな意味で見識や考え方に広がりが出て、日々学びです。

マンガでもラノベでも、歴史小説でも現代文学でも…面白いと思ったものからは、何かちょっとずつでも学んでるもんです(笑)

個々の感想は、今年の日記から探し出してください(笑) 


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●『からくさ図書館来客簿』全六集(以下続刊?)

作:仲町六絵/イラスト:ユウノ

 

まずはこのシリーズ。

今まで読んだ中では筆頭です(笑)

 この本のお陰で、京都という街に改めて興味を持ち、小野篁や時子内親王の事を知り、お話の舞台を訪れる、いわゆる“聖地巡礼”的なことをしたり、読む以外の楽しみもいただきました。

8月の旅行記には、仲町先生の作品から2ヶ所を見に行きアップしています。

 

千年も前から冥官として働いている篁卿と、その篁卿と生前は師弟関係というか、お話し相手の関係のが近いのかな…にあった時子内親王

お話は、先輩冥官・篁卿と見習い冥官・時子姫を中心に、天道(天国みたいなとこ) へ行けず、心残りに悩まされる“道なし”と呼ばれるものたちを天道に送り届ける…。

 

篁卿の心の機微や時子姫のご成長、京都の街や歴史のお話など、学ぶこと得ることがたくさんあり、2人の人柄なのか、現代話ですが、実にゆったりとした時間が流れるシリーズです。

イラストもお気に入りで、話の途中にはありませんが、表紙・中表紙・目次の三ヶ所にはカラーで作品を語るような素敵なイラストが。

中でも目次ページのイラストは、透明感と言いますか、何と言いますか…言葉には出来ないほどきれいでお気に入りです。

文字抜きでこのイラスト部分だけ集めて見たい(笑)

 

電子版派のおいらですが、このお話は発売日に紙本買って読んで、1ヶ月後に電子版買って読んで…その後も何度も読み返したくなるので、電子版はクラウド本棚保管せず、すぐに読めるように端末保管しています。

 

 
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●『神さまになりまして』全三作

作:石田リンネ/イラスト:motai

 

出会いのきっかけは覚えてないのですが…。

このシリーズは土地神の代わりに守護神として人が立ち、守護代と呼ばれる者達が守護の指示のもと、あやかしや霊の類の事件を解決していくもの。

守護・守護代になればその時点でその人の成長の時間はとまるので、出てくる連中は見た目若いけどみんな百才超え。

関東の最年長は四百だけど、七人いる日本の守護神を束ねるお方はおそらく千を超えているかと(笑)

 

女性キャラが皆無なお話ですが、野郎だらけで暑苦しい訳でもなく(笑)

守護と守護代達の関わりや距離感がすごく良い。

話そのものも、あやかし的部分と人の部分のバランスに違和感がなく、実に読みやすいです。

イラストも、おいら的にジャストミートな絵柄で、実は挿し絵のスクショを取って、時折それだけ眺めて癒されてます(笑)

あ、もちろん個人で楽しむ範囲です。

このお話しでも、おいしいものや都々逸など、様々教わっています。

ふとしたときに読み返したくなり、飽きた感がまるで起きない、大好きな作品です。

 

 


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●『浅草鬼嫁日記』(シリーズ化決定)

作:友麻碧/イラスト:あやとき

 

先日の友麻先生フェア特別編でひと通り語りましたので、ここでは控えましょう(笑)

強い真紀姐さんと、多くを語らずその行動で真紀姐さんを支える薫のコンビは最強です(笑)

かくりよの宿飯シリーズも大好きですが、今回は2人の良さに惹かれてこちらをチョイス。

真紀(茨木童子)・薫(酒呑童子)の記憶を待ったまま、現代に生まれ変わった、高校生なのにこなれた夫婦感漂う、浅草が舞台のあやかしストーリー。

人間と共存すべく頑張るあやかし達を、童子夫婦が仲良くしている人間達と共に手助けしていきます。

かくりよの宿飯シリーズの大旦那様も、ちょろっとお目見え。

今後もいい感じに絡んでくれることでしょう。

カクヨムのサイトでは、薫と大旦那様の関係も読めるお話がアップされてます。

こちらでは、浅草のおいしい物を教わってます。

(一人浅草グルメツアー予定中)

 


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●『ミヤマの社~君に捧げる恋の舞~』作:一石月下/イラスト:コウキ。

 

最近発売になったお話しです。

感想は11月にアップいたしました(笑)

 

神様と人の恋ですから…ハッピーエンドになる方が珍しいでしょう。

ですが、アンハッピーにしても辛い二者択一。

この話も何度も読み返していますが、どうも主人公の女の子ではなく、神様側に目が向きます。

お話は、どちらもこの世に留まる選択をして、実際それが一番いい方法なんだと思います。

でも、おいら的には…残される深山(神様)が辛い。

おいらだったら…当初の深山の望み通り、お互いの記憶を持ったまま、例え短い時間でも心残りの無いよう共に過ごし、深山も町も消えてしまったら、おいら自身も消える…そんな選択をするかもしれない…。

読み終わりは、いつもそんな事を考え、切なく少し辛くなります。

 


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●『右手にメス、左手に花束』全11作(以下続刊)+SP2作

作:椹野道流/イラスト:鳴海ゆき 他

 

椹野先生の作品は、最後の晩ご飯シリーズや時をかける眼鏡シリーズが先だったんですが、どうも本題に入る前のイントロ部分が長い印象がありました。

それぞれ、必要な部分なんだよな…と自分を納得させつつ読んでいたのですが、これは違った(笑)

BLジャンル初挑戦でしたが、この話はBLというよりHL…

ヒューマンラブストーリーの印象が強いです。

好きになった相手がたまたま同性だっただけ。

主人公2人の、人としてパートナーとしての成長が好もしく、全作品一気にSPまで読んだ後、すぐにもう一度全部読み返し、その後も折に触れ読み返し(笑)

なぜかいつも頭から全部読み返してますが、そろそろその時読みたい話だけを…とかでもいいかも。

SPだけ…と思っても、終わると本編頭から読んでたりする…(^_^;)

最初の頃から、イラスト担当の方が変わられてます。

これも端末保管してる作品ですが、本棚の表紙絵を眺めるだけでも気分が良くなる大好きなシリーズです。

 

 

今回上げた5作品以外にも、お気に入りとなった作品はたくさんあります。

電子版デビューのきっかけとなった、

結城光流先生の『少年陰陽師』シリーズや『陰陽師安倍晴明』シリーズ

◆小湊悠貴先生の『ゆきうさぎのお品書き』シリーズ

◆仁科裕貴先生の『座敷童子の代理人』シリーズ

◆浅葉なつ先生の『神様の御用人』シリーズ

◆椎名蓮月先生の『九十九さん家のあやかし事情』シリーズ

◆阿部智里先生の『八咫烏』シリーズ

などなど…

 

単刊でも、素敵な作品はたくさんありました。

これからも気の向くままに様々な作品を読んで、いろんなことを教わろうと思います。

 

作家の皆様、イラスト担当の皆様、出版社の皆様

素敵な作品をありがとうございました。

2017年もよろしくお願いいたします。

 

追伸:

出版社の方へ

紙本発売しかなく、電子版待ちをしている作品もたくさんあります。

作品によって電子版を出さないとか、紙本と内容は同じなのに、電子版購入があまり作家さんのお役に立てないかもしれないとか…。

読む側に見えない事情が辛いです。

紙本と同じように電子版も手に取れる、初動影響のお力になれる…。

紙本のついで的なものではなく、二つの戦力となれますよう願っております。

読書感想文 特別版 【(一人で勝手に)友麻碧先生フェア】

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『かくりよの宿飯  五  あやかしお宿に美味い肴あります』

富士見L文庫

 

すっかり読みハマり大好きなシリーズとなりました。

前作の四巻が上巻で今回の五巻が下巻のような展開です。

さらわれた先でも、料理を武器に何だかんだと乗り切る葵は、ホントに強いと思う。

確かに今までがうまく行きすぎてたから、味覚を奪われるなんて大ピンチに、さすがの葵も凹むけど、それが長続きしないのがいいところ(笑)

今回もしっかり乗り切り、ラストでは苦難の道を我知らず選んでしまった銀次さんがホント切ない…(ノД`)

まだまだ明かされない部分のある葵の事や、話ばかりで何も見えてこないおじいちゃんの事…これからも目が離せないシリーズです。

 


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『かくりよの宿飯 あやかしお宿に嫁入りします』

画:布丘わこ/KADOKAWA enter brain

 

かくりよの宿飯シリーズのコミカライズ版です。

マンガは電子版で…スマホで読むのは辛いから迷ったんですけど…紙本買いました(笑)

現在のイラストとは違うので、ちょっとは違和感ありますが、読み進めれば気になりません。

むしろ、自分のイメージしてたのが幼すぎたかも(笑)

鬼神の大旦那様がですね…原作では射竦めるような冷たい怖さをイメージしてたんですが…み、三日月の目で笑って薄気味悪いんですよ*1ブルッ

むしろこっちのが怖くて有りでした。

続きが気になり原作を一巻から読み返しました(笑)

 


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『浅草鬼嫁日記  あやかし夫婦は今世こそ幸せになりたい』

富士見L文庫

 

カクヨムのサイトで公開されていまして、序盤は読みました。

けど、絶対文庫化される!と思ったので、予定の話すら出てないのに読むのをやめ、ひたすら文庫化を待っていました(笑)

表紙の2人は、男の子が酒呑童子、女の子が茨木童子、女の子の後ろにいるのが藤原公任にして鵺のあやかし。

当時の記憶を持ったまま現世は浅草に生まれ変わりました。

浅草を舞台に、あやかしと人間が共存していくべく、日々努力するものの諍いは起こる。

あやかしだって困ることもある。

そんなときに女の子(真紀)が力を貸し、男の子(薫)がしぶしぶ手伝い、後ろの子(由理彦)が知恵を貸す(笑)

茨木童子酒呑童子は前世で夫婦だったので、高校生なのにこなれた夫婦のような、いい感じでいいテンポな会話が楽しいです。

何といっても真紀が強い(笑)

薫(酒呑童子)は、前世と変わらずスペシャルイケメンで女子の人気の的だけど、んなこと知るか!な性格で、真紀(茨木童子)も可愛いのに強いから、日常ではモテる訳じゃ無いけど、あやかし達には頼りにされて…。

とにかく、盤石な絆の夫婦とその友の織りなす日常が面白い。

学校の新聞部にかぎ回られたり、あやかし面での命の危機とか、ハプニング的には分かりやすい事件ばかりだけど、3人のキャラがぶれないので一気に読み抜けました。

これもシリーズ化されて長く続いて欲しい物語です。

 


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『十二因縁』

原案・イラスト:ネヲ/KCG文庫

 

電子版買うときに偶然見つけて読んでみました。

この作品は、絵が先でそこに友麻先生がお話を書いた…。

そんないきさつのようです。

縁結び(恋愛に関わらず)の神社の神様になって、地元のあやかし絡みの縁を結んでいくお話し。

といっても、神社にはちゃんと神様いるけど、身軽に動けないからって理由でなった助手神様。

このお話も面白かったんですよ。

表紙を見たときは、もっとあやかし絡みのドロドロ感を予想してたんですが、反して和やかに読めました。

主人公・繁の生い立ちにまつわるエピソードは、けして明るいものとは言えませんが、それを噛み締めながら、新しい関係を築いていく、芯の強さも見て取れました。

これも続き読みたいなぁ…と思ってるんですけどね…出て欲しいな。

 


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『鳥居の向こうは、知らない世界でした。』

幻冬舎文庫

 

締めの一冊は、新作でした。

華やかきらびやかな表紙に、発売までワクワク待っておりました。

てっきり表紙の二人ができちゃうのかと思っていたら、お相手は別にいた…文字通り王子様が(笑)

かくりよの宿飯シリーズの葵も、鬼嫁日記の真紀も、精神的に物理的に逞しいですが、今回のヒロイン千歳は、育った環境から自分を押し殺して地味な女子大生。

情けない父ちゃんはほっといて。

最初はどんよりした曇り空…その後どしゃ降りの大雨…そんな感じで物語がスタートしたので、ちょっと今までのイメージと違うかな…と、いつもよりゆっくりペースで読みました。

物語を読み進め、千歳が異界に慣れるに従って、どしゃ降りの雨もやんで、クライマックスの幻想即興曲のシーンでは天使の梯子が見えるような…。

でも千歳の心だけが晴れてしまって、お父さんや義弟の優君は、取り残されてしまっているので、ぜひ!続きで二人の心も晴れにしてあげて欲しいです。

薬…こちらでいう漢方薬(お話しの中では仙薬)のように、じっくりじわじわ面白いです(笑)

どこか台湾ちっくな異界(千国)にとっては、地球上が異界。

その異界の人物が最初の王なので、時おりいろんな文化が持ち込まれるそうで…。

千歳はクライマックスでピアノを弾きますが、アジアンテイストに合わないかなぁとも思いましたが、千国と異界(地球上)との違いをはっきりさせるためには、これも有りかなと。

ただ、薬膳とはいえあまりお料理が前に出ちゃうと、かくりよの宿飯シリーズとの違いが無くなっちゃいそうなので、あくまでもお薬メインがいいなぁと感じました。

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こうして一人勝手に始めた【友麻碧先生フェア】はひとまずは終了しました(笑)

でも、どの作品も面白いので、ちょこちょこ読み返しする予定です。

その都度、読書メーターの方へ感想をあげていきます。

 

あ~楽しかった。この10日ほど、かくりよの宿飯シリーズの全巻読み返しも含め、がっつり堪能させていただきました。

 

*1: ;゜Д゜

読書感想文 第55巻

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『天使は奇跡を希う』

作:七月隆文/文春文庫

 

ある日、天使が転入してきた。

天国に帰る手助けをして欲しい。

天使の翼は一部の者しか見えてない。

一番最初に羽のことを問いつめてきた良史が手助けをすることになる。

帰れそうな場所を探し歩き…次第に仲間が増える。

良史の幼なじみの少年と、良史の彼女。

 

最初はそのままお話しが進み、天使が天国に帰り、淡い初恋が終わる…そんな物語を想像していました。

けど、物語は途中で意外な方向を見せました。

いじめ、不登校、恋愛、友情…高校生なりの悩みを抱える中起きた事故。

 

天使は1ヶ月の間、必死に懸命に帰る方法を探します。

なぜなら、それがタイムリミットだったから。帰れなければ、天使は消えてしまう。

心の底から大事にしているものも消えてしまう。

 

天使が帰る場所…帰りたいと望んだ場所。

悪魔と契約をしてまでも帰りたかった場所…。

大人ではなかなか持ち続けられない、純粋で真っ直ぐな気持ちを持つ天使に、涙が出ました。

そのまま、天使の頭を撫でてあげたい…頑張ったね…良かったね…と笑ってほめてあげたい…そんな読み終わりでした。

 

表紙のイラストも素敵です。

背景は真っ白だけど、その白い部分には、今治のきれいな空や、瀬戸内の海や街の景色…私たちの想像で、いくらでも変化できるのも嬉しいです。

読書感想文 第54巻

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『ミヤマの社  -君に捧げる恋の舞-』

作:一石月下/富士見L文庫

 

電書買うときのあらすじ紹介とかで、話の流れや結末はイメージしやすかったお話です。

でも、だからこそお互いの気持ちが胸に迫って、切なくてやるせなくて…。

 

神さまと人間(巫女)の恋のお話し。

けして結ばれることはない想い。

忘れられて長らえるか、お互いに想いを抱えたまま想い人の前から消えるか。

 

どちらが正しいかなんて、きっと答えが出ない二者択一。

どちらを選んでも、どちらかが辛い。

神である深山は最後は笑顔だった。

でもその笑顔が辛いなぁ…切ないなぁ。

 

神である深山と、巫女となる亜希の気持ちが、とても丁寧に描かれています。

 

大人になるって…

悲しい想い、苦しい想い、辛い想い…すべてをひっくるめた切ない想い…

丁寧にじっくり進むお話に、分かりすぎるほどに一人一柱の気持ちや、もう一人の少年の気持ちも伝わってきて、涙なしには読めませんでした。

読書感想文 第53巻

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『からたち童話専門店~えんどう豆と子の刻すぎの珍客たち~』

『からたち童話専門店~雪だるまと飛べないストーブ~』

作:希多美咲/集英社オレンジ文庫

 

だいぶ前に読み終えているので、もしかしたら二度目かもしれませんが(笑)

 

ちょうど別レーベルで同じような五人兄妹のあやかしものを読んでいたので、良くも悪くも兄妹比べをしてしまっておりました。

どちらの兄妹も仲良しなので、それでよし(笑)

 

お気に入りの作品で、ふとしたときに読みたくなるため、クラウド本棚にはしまわず、手元に残しています。

『えんどう豆と~』では、からたち童話専門店に住む九十九さんとあやかし達と仲良くなり、物心つく前に別れてしまったお母さんの真実に触れ…。

『雪だるまと~』では、大事な大好きな幼い頃の友達の真実と、長兄が目の敵にする九十九さんとの確執(?)に触れ…。

 

どれも童話の力を借りて、温かい結末となります。

兄妹の成長や、次はどんな童話が出てくるのかといった楽しみもあるのですが…続きはないのかなぁ。

 

えんどう豆の童話も雪だるまの童話も、初めて知るお話しでしたが…アンデルセンさんは優しいお話し書くんですね。

グリムさんは、実は怖い真実が隠されてるイメージ(笑)

アンデルセンさんにも、“実は…”な顔があるんだろうか(笑)

 

さっき、読書メーターに自分で書いた再読感想を見てきたのですが…。

そこでは特にふれてなかったけど、このお話をどこかBLっぽい印象でとらえてる方の感想を見た記憶があります。

おいらもBLは、あまりえげつないもの以外はそこそこ読みますが、これはその流れとは違うと思うんだよなぁ。

 

ずっと心の拠としてきた、たった1人の大事な友達。

男の子同士の真っ直ぐな友情の気持ち…。

それでいいと思うんですけどねぇ。