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読書感想文 第46巻

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『ちどり亭にようこそ~京都の小さなお弁当屋さん~』

作:十三湊/メディアワークス文庫

 

小さな仕出し料理と弁当のお店。

店主は由緒正しきお家柄、長きにわたるその血筋を絶やさんがための跡取りお嬢様の花柚(はなゆ)さん

そして、酔っ払っていたとはいえ、その花柚さんのレクサスに轢かれそうになったことが縁で、花柚さんのお店でアルバイトを兼ねて料理を教わることになった、慧太(大学一年生)

 

お話の中には、もちろん2人それぞれの恋のお話がありますが、こちらは花柚さんが一歩も二歩もリード中(笑)

慧太の方は、料理もだけど、花柚さんの家のような、まるでご華族様のような家の事をはじめ、知らなかったこと、知ろうとしなかった事を様々学び、大人になっていく上での、自分の核となる何かを着実に学びとってる感じです。

 

対外的にはしっかりしてても、どこかお嬢様気質が抜けない、のんびり屋な花柚さんと今どきの大学生慧太は、良い師弟コンビです(笑)

花柚さんは、しっかりというよりちゃっかりなのかな(笑)

ライフワークと言い切るほどに、毎週それなりのお家柄のご子息とお見合いを重ねるも上手く行かず…。

そのお見合いで何をしてるのか知らないけど、破談になった相手といいお友達関係が築かれており、困ったときにお見合いネットワークを駆使して乗り切る逞しさ(笑)

単純にのほほんとしてるだけじゃないところがすごく良いです。

 

お弁当やお料理教室で出てくるメニューは、どれもおいしそうで、誰でも知ってるものばかり。

使う食材が和の趣ですかね…でもハンバーグとかも出たりするしオムライスも出てくるから、全くの和でもなく…難しい(笑)

でも、いいなぁ…こういうお弁当屋さんあったら通う…。

お弁当箱渡せば、それに詰めてくれるとか、嬉しすぎるでしょう。

 

お話の中…というか、章ごとのタイトルに暦に出てくる“七十二候”と言われるものが使われています。

お話の中にも、何気なく出てくる七十二候。暦で季節を知る…これも、この本の中でいいアクセントになっています。

こんな暦が欲しいなぁ…と。そして、次に京都へ行くことができたら、絶対おばんざい系のお店に行こうと…ダメなら駅弁じゃなくて仕出し弁当買おうと密かに誓って読了です(笑)