読書感想文 第37巻
『玉依姫』作:阿部智里
八咫烏シリーズ最新作です。
前作、八咫烏達が住む山内に大きな地震が起きた所で終わってました。
てっきりその続きかと思いきや、少し先のあたりの話になってました(笑)
でも、この順番でなきゃいけない何かがあるんだろうな。
今回は、タイトルから察せる通り、土地神や国つ神のお名前がちらほら。
古事記に出てくる神様達が、どんな風に八咫烏達と繋がって来たのか。突然八咫烏達を襲った猿達は何者なのかが少しずつ分かってきます。
最初に読んだときは、引き込まれすぎて客観的に感想を持つことができませんでした。
読み終わった満足感が何ともいえず…もったいなくて、少し時間をあけて再読。
読書メーターの方にはこんな風に書きました。
『自分の普通が他の人の普通とは限らない』
人それぞれの価値観。
自分はこう思う…こうしたいんだという核のようなものがあれば、回りが何を言おうと、どんな事にも振り回されず、自身にとって幸せであれるのでは。
みんながみんな一緒である必要はない。
誰にもそんなこと言う権利はない。
今回の玉依姫では、その核になるものは“信”。
己を信じる、相手を信じる。
なかなかに難しい事ですが、おいらとしては、自分と違う普通も一つの個性として受け入れたい…そうありたいと思いました。
読むのを楽しみにしている人もいるだろうから、分かりやすいような内容への触れ方はしないようにしてみました。
読書メーターの感想(共読)も、かなりの数が上がってて、人気のシリーズ何だと言うことが分かります。
ホント面白いです(笑)
読書感想文 第36巻
修法師百夜まじない帖シリーズ
『冬の蝶』『慚愧の赤鬼』『鯉と富士』
小学館文庫
もともと電子書籍として配信されているものを書き下ろし二作を加えて文庫化した作品…の電子書籍版です(笑)
津軽でイタコの修行をした百夜(ももよ)は盲目。そして津軽弁は江戸の人達には通じない。
江戸に来てすぐ、切腹して帰る宛ても行く宛てもない侍の亡魂と出会い、見えない目となり口となれとその身に寄せて、修法師(ずほうし)として通称おばけ長屋にいつく。
本業はイタコとして死者の言葉を聞く事だけど、最初の仕事が九十九神絡みで、依頼主である店の主人も手代も百夜を気に入り、盲目の百夜に不自由のないように…と手代の佐吉がしょっちゅう顔を出す。
その佐吉が主人経由で依頼してくるのは九十九神絡みの物ばかり。
とはいえ、佐吉と侍言葉を話す百夜のやりとりは、テンポが良くて面白いです。
江戸の人は早口で江戸弁もテンポがいいからてすかね。
様々な人の思いが物に宿り、九十九神となる。そんな九十九神達が、持ち主に何かを伝えるべく姿を現すもんだから、生きてる人間はたまったもんじゃない(笑)
無理に祓おうとせず…まぁ多少は金縛りの術とか使うけど、ちゃんと思いを遂げさせてやるので、怖いと言うよりはほんのり温かいお話でした。
ただし、鯉と富士の最後は江戸の大火で犠牲となった大勢の亡魂のお話しで、こちらはちょっと考えさせられるものがありました。
お話の中には、名前の付いた由来とか呼ばれてるようになった由来とか、豆知識的なものもあるので、へぇ~(*゚▽゚)ノ∩-☆となります(笑)
今回は文庫化したものを購入しましたが、続きはまだのようで、一話ずつばら売りされてるもの(電子版)を読み進めて行こうと思ってます。
こちらはかなり先まで続きがあるので楽しみです。