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読書感想文 第51巻

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『神さまになりまして、ヒトの名前を捨てました』

『神さまになりまして、ワガママを叶えました』

『神さまになりまして、オヤスミナサイを言いました』

作:石田リンネ/ビーズログ文庫アリス

 

土地神様は、その地域に生きるものを守ってくれる…守護と呼ばれる土地神様。

でも神様は直接人の運命には関与できない。

そこで変わりに、手足となって働く者を人の中から選ぶ。

選ばれた者は、守護代と呼ばれ神様と契約したと同時に成長が止まる。

土地神様も代替わり制。何百年も土地神として見守って、もう十分と思ったら、代替わりして引退。守護代の中から次の神様が選ばれる…

 

などなど、システム化された神様(守護)と守護代

その代替わりで新しく神様になった千鳥(役職名)と、時を同じくして新しく守護代となった帯刀(18才)、そして彼らを取り巻く仲間の守護代や他地域の神様たちのお話し。

 

神様や守護代の力を全部説明するとキリがないので、ここまで読んで興味を持たれたら、買って読んで下さい(笑)

 

女子率が著しく低いものの、BLではありません。

帯刀以外は、みんな200才越えの長生き(笑)

千鳥が最年長で400才越え(笑)

 

そんなご長寿組織の中に、クールな現代っ子の帯刀加入で、いい意味での相乗効果が発揮され、代替わりで落ち着かない人間関係が少しずつ、いい形に形作られ、お互い同士を思い合う気持ちが、読んでて気持ちいい作品でした。

 

クールに見えて実は違うでしょ(笑)な帯刀と、世話好きで常に周りに気を配り自分で自分を忙しくしてる千鳥は、実は似たもの同士なのかな…と思っています。

2人とも居場所を探し続けた日々を送ってきたから。

でも、お話の中で帯刀は千鳥や兄守護代達の言葉や態度から、自分なりの居場所をみつけ、千鳥も二巻目にしてやっと居場所が何なのかが分かる。

 

作品のタイトルから、あまり想像してなかったのですが、意外にバトルチックな展開が多く、その面でも楽しめました。

帯刀にできることが増えてきて、それが刺激になって一の宮・柏の新しい守護代チームの連携もどんどんよくなる。

一巻より二巻、二巻より三巻…読む事に面白くなっていって、最近出たばかりの三巻が一番面白い。

 

バトルのクライマックスも、その後の穏やかな時間も…千鳥の代替わりも守護代チームの代替わりも、シロさんの代替わりもとても素敵なお話しでした。

クラウド本棚にしまいこめない作品が、また増えました。