読書感想文 第43巻
『妖怪センセの京怪図巻~祇園祭にあわいは騒ぎ』
作:朝戸麻央/富士見L文庫
“あわい”とは、この世でもあの世でもない、あやかし達の住まう場所。
なので、あやかし達は“あわいのもの”とこの本の中では呼ばれてます。
表紙の2人がお話しの軸。多聞(男性)の視点が中心で話が進みます。
妖怪の絵を描く多聞(たもん)と、またいとこの瑞希
多聞は視えて聴こえる人、瑞希は聞聴こえるだけだった。
十年前に関わった狐の面のあわいのもの。
この時から瑞希は視えるようにもなり、多聞は一本の不思議な筆を得る。
この筆を使って描くと、あわいのものを封じることができる。
でも、このお話では封じは最終手段で、必要な対処だけに留めてるので、事件解決的な言い回しより、出来事を収めると言った方がしっくりきます。
あわいのものには、彼らの事情で存在するんだから人側の事情を押しつけて退治てしまうことはしません。
あくまでも命に関わる時だけのようです。
そして出来事を収める間も、けしてバトルチックではなく、人の心の動きがお話しを進めていくので、落ち着いて読むことができます。
京都という土地のお話なので、先日いけなかった、みやこめっせのこととか八坂さんのこととか出てきます。
そのあたりも楽しく読ませていただきました。
続きを楽しみに(^_^)