読書感想文 第40巻
『路地裏のあやかしたち~綾櫛横丁加納表具店』
作:行田尚希 / メディアワークス文庫
表具店…最近はあまり見かけなくなりましたね。
建て売り住宅用の安いのではなく、ちゃんとした邸宅の襖とか障子の貼り替えや屏風のお直し、絵画や書などを掛け軸にするお仕事です。
あやかしの加納環さんが営むお店。三百年近く生きる妖弧。
環さんと表具店と、そこに集うあやかしと人の物語。
長い間時間のたった絵や書には、描いた人やあるいは持ち主だった人の思念が宿る。
思念によって絵が動き出し、現在の持ち主に影響を与えてしまう。
環さんは、そういった裏の表具のお仕事をする妖弧。
たまたま人間の男の子を弟子に迎えることになるけど、恋が始まるとかは一切無い。
表具を通していろんな問題を解決していくお話し。
でも、おいら的には読んでて何かスッキリしないものがありました。
あやかし達は人とも仲良くしてくれる。一見、気のいい奴らなんだけど…。
何も知らない弟子に対して、必要な事(表具以外の)をキチンと語らないから、疎外感を感じるんです。
仲良しだけどここまでね~みたいな。
まあ、弟子が鈍感なところもありますけどね(笑)
学生時代、そんなことがしょっちゅうだったから、そのあたりは敏感になるんですよね…。
それ以外は楽しく読ませていただきました。
ラストがあまりにも平凡すぎる気もしますけどね…(^_^;)
そして、またいつでも続き(それか番外編)できますよ!な感じがそこはかとなく…(笑)
五段階評価なら…3かな。