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読書感想文 第32巻


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『座敷童子の代理人3』
作:仁科裕貴
『あやかしとおばんざい~ふたごの京都妖怪ごはん日記~』
作:仲町六絵



前回の31巻に引き続き、この二冊も待ってた作品。
未だにラノベと呼んでいいのかわからないジャンルで、Twitterでは“キャラクター小説”と呼ばれてるとか何とか見かけたり。

この手のジャンルの作品を初めて手にしたのが座敷童子の代理人でした。
面白くて1も2も一気読みだった(笑)


【座敷童子の代理人3】
今回の鍵は2人の女の子。
前半は、女の子…というか猫又なので、雌猫…ん~猫娘?(笑)

主人公では緒方司貴(男)。小説家。
華々しくデビューするも、その後が鳴かず飛ばずで、ペンを折られかけた時、小説家生命をかけて次回作の取材に訪れた旅館『迷家荘』
座敷童子が見られることで有名な旅館だけど、リアルと違って予約が取れないほど混んでない(笑)
座敷童子に河童、妖狐に化狸(子狸)、巨牛の妖怪やら神社の神様やら、何とも賑やか。
…なはずなんだけど、旅館の人達には姿が見れなくて、見習い番頭兼小説家となった司貴だけが見える。

猫又のこんなの子は両親を亡くした司貴が、子供の頃を過ごした親戚の家にいた猫。
飼い主の伯父夫婦も飼われていた猫又娘の方も、互いで互いを思いやる。
司貴と妖怪達の頑張りで、互いの思いを分かり合い、猫又娘は夫婦を近くで見守るために必要なことを身につけるため妖狐に弟子入り。
夫婦は、『妖怪が見える。猫も見えてる。』という司貴の突然のカミングアウトにも同様せず、猫又娘の好きにしていい。戻って来たいならいつでも待ってると司貴に言づてする。

後半は、関西から越してきた母1人子1人の子の方(14才)
こちらは、姿は見えねど声が聞こえる子。
人の心の声も聞こえてしまう。
こちらのお話しも、雪女やぬらりひょんなど錚々たるメンバーで(笑)

出てくる妖怪達は、怖い面は描かれていません。
ぬらりひょんも雪女もいい人。
そして今回は、遠野市長も登場。本物の名前かどうかは、あえて調べません(笑)
その市長さんも昔、座敷童子が見えていたと。
そのエピソードも、とても温かいお話しです。
寒い遠野の、ほっこり温まるお話し。そして司貴と旅館の若女将・和紗も、お互いに忘れていた幼なじみとはいえ、2人のペースで距離が縮まり中。

次のお話しも、楽しみになりました(^_^)


【あやかしとおばんざい】
作者さんのアカウントをフォローしてるので、ご本人からの新作情報が常にキャッチでき(笑)
それはそれは楽しみにしておりました♪
『からくさ図書館来客簿』シリーズもすべて読んでおります。
京都や奈良を扱った作品(時代物あり)を書かれているのですが、どの作品もお話しのテンポが絶妙です。

中でも大好きなからくさ図書館来客簿シリーズは、京都を舞台にしていて、主人公達が1200年ほど前の人達で現代にいるもので、時間がゆったり流れます。

そして今回の新作は、現代の時間軸で主人公が若者ふたごのなので、テンポがいい。
でもけして急ぎすぎてはなく…。
からくさ図書館がお着物着て草履でゆったり歩く女性なら、こちらは普段着+スニーカーで軽快に歩く感じ。

金沢生まれの主人公達なので、金沢のおいしいものも出てくるし、住み始めた京都のおいしそうな物もこれからどんどん出てきそうな予感。
泉鏡花の作品を軸に、ところどころでからくさ図書館に来ていた人達が、さり気なく顔を出します。
からくさ図書館来客簿シリーズは、第五集まで出ていますが、あの集のあの人の事が次の集にちらっと出てきたりと、あちこちで繋がっている面白さがあるんですが、こちらは作品を超えた繋がりで、さらに楽しめました。

二冊ともあっという間に読み終わってしまって…。
次の休みに一気読み再読の予定です(笑)

電子書籍化が待ちきれずに紙本で買いましたが、もちろん電子書籍でも買います。
これは紙本も手元に置いておきたいですね(*´▽`*)