読書感想文 第28巻
『南都あやかし帖~君よ知るや、ファールスの地~』
作:仲町六絵 メディアワークス文庫
『からくさ図書館来客簿』シリーズを書かれた方の、からくさ図書館より前の作品。
タイトル的には気になっていたものの、レビューを見て、主人公の名前が「天竺ムスル」
架空の人物度が高いというか、あまりにも現実離れした名前で、読むのをためらってた作品。
でも、読書メーターサイトでの他の人のレビューを見て、天竺ムスルが実在の人物であることがわかり、これは…!と思い読んでみました。
面白い!
室町時代って、あんまり書かれてないですよね。
一休さんくらいしか記憶にない(笑)
足利将軍家時代で、僧兵だのがいたりして、おっさま大活躍時代。
前の平安時代の雅やかさに比べると、よく言えば勇ましい。
悪く言うとむさ苦しいww
寺同士の争いとかもあるのに、これはもう時代の流れ方ではなく、仲町ワールドなんでしょうね。
スピード感満載で手に汗握るのではなく、お話しの緩急はもちろんあるけど、終始落ち着いて、静かな緊張感緊迫感を感じる場面や、何気ない日常の時間を切り取った、ゆったりとした時間のバランスがすごく好み。
ぜひこれは、からくさ図書館同様、シリーズ化して欲しい!
章の間に、室町時代の歴史コラムもあって、そちらもまた勉強になり楽しいです。