読書感想文 第19巻
『からくさ図書館来客簿 ~冥官・小野篁と優しい道なしたち』
作:仲町六絵
同じ作者さんのデビュー作がその篁さんのハイティーン時代の作品。
おいらの知ってる篁さんは、後は『鬼灯の冷徹』に出てくる篁さんだけで、一番最初に見たのも鬼灯様の同僚の篁さんだったので、他の篁さんにも興味津々でした。
読み始めると、おもしろい作品ほど中に入り込みすぎて、最後まで読み終われない時(通勤電車とか昼休み)は、現実に戻ってくるのに難儀し、切り替えがうまく出来ない性格でして…。
さて。
今回読ませていただいた『からくさ図書館来客簿』
こちらもとても面白く…そして一章完結的なので、二章読んで泣く泣く家事に戻り(オイ)、定時制に通う子めるがいない夜に、手早く夕飯を済ませて、ゆっくり続きを読みました。
主人公・篁さんと、冥官見習いの時子様との出会いのお話は、三章のラストから四章にかけて。
若い篁さんの話しか見かけないので、壮年の篁さんは新鮮でした。
その人たちが“道なし”を冥府へ送るため、篁さんと時子様とともに、精一杯のことをしてくれます。
篁さん達がメインになることもあれば、道なしが側にいるその人たちがメインになることもあります。
最後には篁さん達の正体という記憶だけを上手に消して、図書館の館長とお手伝いの女の子、そして図書館の利用客に戻る。
“道なし”とは、生前に善行を積んで天道に逝くはずが、何かに思いを残しさまよっている優しい魂のこと。
天道は、天国みたいな所と考えて良さそうです。
天道の説明をするとなると、六道輪廻とかなんとかいろいろ難しいので、ググって下さいww
今回の四つのお話しの中では、二章の料理人の男性のお話しが好きかな。
道なしになってしまったのは、食い道楽のおじいさん。
美味しいもの好きが残す思いとなり、レストランに憑いてしまうのだけど、亡くなってしまったので食べることが出来ない。
そんなおじいさんに、料理人の若者が篁さん達と図書館の力を借りて、最後に美味しいものを食べてもらって、おじいさんも美味しいものを食べさせてもらって、幸せな気持ちで冥府に向かいました。
おじいさんの満足げな笑顔が浮かぶようで、不覚にも泣きました。
本当に美味しいものって、めちゃくちゃいい笑顔になりますよね。
食べることの幸せが一番想像しやすかった、食いしん坊なおいらですww
まだまだ続きのお話しがたくさんあるので、さっそく♪