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読書感想文 第5巻

エキナカには神様がいる』作:峰月皓

あ~先にネタバレ?ww
“神”の字を姓にもつ青年のお話しです。

駅には毎日いろんな人が通ります。
男性、女性、サラリーマン、フリーター。子ども、若者、年配者。
そんな人たちの出来事に、エキナカの絵を描き続ける中神くんが関わります。

彼が神様のごとく解決する…そんな安直な話ではありません。
彼自身も関わられた相手も、悩みもしますしいろいろ葛藤もあります。
解決方法が人間臭いのがいいと思いました。

そんなエキナカのお話しがオムニバスで5話入ってます。
最後は中神くん自身のお話しです。
これは…電車利用する人ならみんな見てほしいと思いました。

ネタバレします。
最後のお話しは、中神くんと中神くんのお父さんのお話し。
お父さんはエキナカのあるこの駅の駅長でした。
昔は券売機の呼び出しボタンを押すと、券売機の横から駅員さんが顔を出しました。
駅長のお父さんは、たまたま応対しようと顔を出したら……
いきなり傘で左目を突かれ、左目の視力を失います。
それと同時に駅に入れなくなってしまいました。

真面目なお父さんが何とか頑張ろうとしても、とてつもない吐き気に襲われてガマン出来ずに、大好きな駅を汚してしまいます。
仕事が出来ないどころか駅にも入れない…。
そんなお父さんも、中神くんも10年の時を経て、お互いちょっとずつ頑張ります。

うちの兄は駅長ではないけど、駅員です。
夜のホームで酔っぱらいに殴られました。
兄は打ち身だけで済みましたが、一年間仕事を休みました。
やはり駅に行けなかったんです。
まだ仕事として行けないだけで、他の場所に行くときは乗れましたけど。

酔った勢いでつい…酒の上でのことだから…。
そんなことじゃ済まされないんですよ。
殴った方は後で笑い話になるかもしれない。
『いゃぁ…あの時は交番に連れて行かれてさぁ…』
あなたは笑えても、被害者は笑えないんです。
下手をすれば心の病で一生を棒に振る可能性だってあるんです。

兄の場合は、なんとか一年で済みましたけど、済まない人だっているんです。

今回の本、最後のお話しをこんな風に思いながら読みました。
頑張ったお父さんも、中神くんにも拍手です。